#振り返り

これまでの会社生活などの振り返りや時事

1.3倍増加

テレビなどで、数字の扱いに戸惑うことがある。コロナ関連の報道でも数字のオンパレード。
たとえば、「1.3倍増」とか「130パーセント増」などと報道された時、視聴者は、どう受け止めるだろうか?
増加分が、1.3倍、130%とみなせば、2.3倍になったということ。恐らく、そうではなく、増加分は、0.3、30%といいたいのだろう。
なぜ、このようなあいまいで、いい加減な報道が改まらないのか、不思議だ。
増加分を強調したくば、3割増加、30%増加とした方がよい。
生データを尊重するなら、「前日値の1.3倍になった」、「宣言期間中の130%になった」などと「増加」という言葉を無くすか、使いたいのであれば、「1.3倍に増加」、「130パーセント」に増加と、増加の前に「に」という助詞を入れるべきだ。
毎日顔馴染みの首長ですら、1.3倍増、130%増などと口を滑らせてしまう。
また、数字をあげるだけで、参照すべき情報を明らかにしていないことが多い。
例えば、PCR検査の陽性者数は出すが、分母の被験者数が明らかにされない。最近、陽性率も報道されることが多くはなったが、中身が明らかでないので、信憑性に乏しい。分母をしっかり明らかにして欲しい。
変異株の陽性者は、若者に多いといわれているが、変異株ではない集団との比較データが明らかにされない。
自動車免許の更新時講習などでも、例えば、事故件数の年次推移グラフを見せて、「多くなった」などと指摘することがよくあるが、免許保有者数、その年齢区分、保有期間や車両台数など、事故に影響する諸因子などは言及されない。
データでものを言うときには、しっかり客観的に分析する習慣が必要。潜入感は危険だ。
このようにデータをぞんざいに扱う風潮に、大学入試などで数学が必須科目ではないケースが多いことが影響しているのであれば、見直すべきだろう。